アイオワ州立大学による「UV光処理による空中(エアロゾル)PRRSV(豚呼吸器症候群ウイルス)拡散の緩和 概念実証実験」の結果が公開されました。
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簡単に言うと、豚の感染症ウイルスのエアロゾルをUV光で消毒できるかの実験です。
UV光としてUV-A254nmUVC222nmUVCで比較されました。
※注意 222nmですが使用されたランプはcare222ではありません

その結果を簡単にまとめると、、、、

99%(2-log)の不活化を期待できる線量は、254nmで0.3 mJ/cm2222nmでは<0.08 mJ/cm2であった。
254
222

UV-A(365 nm)ではランプもLEDもこの実験で使用されたUV線量で不活化には至らなかった
365LED

コスト的に254nmランプとHEPAろ過システムは同程度だが、222nmランプはまだ農場規模の実装を想定できるレベルではない。

これを見ると222nmは不活化効果高いですね。意外だったのはエアロゾル状のウイルスへの照射は、光が全体に当たるため、一面からの光しか当たらない表面付着の場合より効果が高いと推察されていた事です
残念ながらUV-Aではほとんど効果が無い
みたいです。よく「222nmなんか不要、太陽光で十分」と言う方がいますが、やはり根本的に違うようです。
その一方コスト的には222nmはやはりまだ不利なようです。





AMG補足・妄想
222nmウイルス不活化効果は素晴らしいものが期待できる一方、コスト的には厳しいものとされたようです。
しかし日本国内の報道では、養鶏場や養豚場では、いったん感染症が出ると数万、数十万単位での殺処分を余儀なくされているように思えます。
それを機に倒産や廃業といった話も聞きます。
保険的な意味、そして人間を含む生体への安全性を考慮すれば、222nm(特にフィルター付きのcare222)の畜産業への大規模採用は、量産化で今よりコストの下がるであろう将来的には十分あり得ると思いました。